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本宣言は、1994年10月5日ウズベキスタンのサマルカンド市レジスタンス・スクエアにおいてWTO加盟国19カ国の参加のもとに開かれた会議で、ウズベキスタンのイスラム・カクモゴン大統領とエンリケ・サビニャックWTO事務局長の勧奨のもとに採択された。

 

2.WTOシルクロードフォーラム・西安

WTOは1996年6月にシルクロードの東の出発点である中国の西安において「WTOシルクロードフォーラム・西安」を開催した。参加国はオーストラリア、ベルギー、中国、韓国、エジプト、フランス、グルジア、香港、イラン、日本、カザフスタン、キルギスタン、マレイシア、モンゴル、パキスタン、シンガポール、スエーデン、タイ、トルコ、トルクメニスタン、英国、米国、ウズベキスタンの23カ国の観光関係者と報道関係者およびUNESCO、UNDP,WTOの各スタッフが参加した。
会議は18日から2日間にわたり開催され(17日に登録、20日は西安市内の観光視察)、シルクロードの歴史的な位置づけ、シルクロードの観光振興、シルクロード沿道の多国間にわたるツアーの創造等に関する発表があった。
会議の終了後に、中国の主催によって8日間のマルコポーロ列車によるシルクロード視察旅行が行われ、天水、嘉略関、敦煙、吐魯番(トルファン)、烏魯木斉(ウルムチ)等をまわった。
ここに、中国国家族游局の楊柳萠司長の「シルクロードの観光商品の開発と振興」のスピーチと甘粛省旅游局の衛孺牛局長のスピーチおよび「WTOシルクロード・フォーラムの声明」の概要を以下にまとめる。

 

「シルクロードの観光商品の開発と振興」

中国国家族游局 司長 楊柳萠氏

 

?中国のシルクロード観光商品
国際観光開発は1979年に始まった。それから10余年以上が経ち、観光産業は、相当な規模となった。現在中国では85の国際線ルートが8つの民間航空会社により運航されていて、33の国の53都市をつないでおり、38か国の43の外国航空会社が中国にフライトを運航している。1995年末の時点では、3,720のホテルがあり、486,000の客室がある。
シルクロードは、確立された観光商品のなかでも最も魅力あるルートである。現代の外国人観光客を魅了し神秘に誘うのは、中国で4,000kmに渡るシルクロードの2,000年の歴史が残した、豊富な歴史的文化遺産、シルクロードと中国文化・文明の相互影響、古代シルクロードと現代中国との対比である。中国の観光供給が需要に匹敵する程になるにつれて、シルクロード観光商品は欧西省、甘粛省、新彊ウイグル自治区に集中する形態になってきた。今や、シルクロードの西安と烏魯木斉は、玄関都市でありシルクロード沿いの都市と中国の主要都市間とを定期便で結んでいる。チャーター便はピークシーズン中運航されている。飛行機に加えて、シルクロードにおける鉄道と国道による交通も大変便利になっており、補強されたその他のインフラは急激に開発されている。国際ホテル・チェーン数軒は、この観光ルートの魅力を高く評価し、シェラトン、ヒルトン、ホリデイ・インはシルクロード沿いの都市にホテルを建設している。西安のシェラトン、ヒルトン、ハイアット、烏魯木斉のホリデイ・

 

 

 

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